部下を成長させるための5ステップ

社会人経験を少し積むと、後輩や部下ができてきます。
学生のみなさんも、後輩を育成しなければならない場面は多いはずです。
「人を育てる」ということは予想以上に難しい。ですから、ぼったくりの人材育成会社がはびこるわけです。笑
私個人としては、人の育成はその企業の中堅社員がやるべきだと考えています。人材育成会社は人材育成のノウハウは持っていても、その企業の業務に結び付けて教えることはできないからです。
では、部下を育てるにはどのようなステップを踏むべきなのでしょうか。

日経アソシエ「相手が本当に困っている時を狙う」より

1、信頼構築

・これまでの人生でどんなことに頑張ってきましたか?
・どのような人生の転機がありましたか?

相手の武勇伝や人生を形成したものなど、“パーソナルヒストリー”にじっくり耳を傾ける。信頼関係が生まれ、こちらの質問を相手が受け入れやすくなる。

人を育てる際には、まずその人との信頼関係を作ることが第一です。みなさんも、嫌いな上司から何を言われてもただ受け流すが、尊敬している先輩の言葉は一言一句聞き漏らさないでしょう。部下も同じです。いきなり頭ごなしに「おまえはここがだめだ、こうしろ」と言われても、その通りにするはずがありません。まずは相手の今までの経験を肯定的な態度で聞くことが大事です。

2、目標の明確化

・あなたが達成したい目標は何ですか?
・三年後にどうなっていたいですか?
・何のためにその目標を達成したいのですか?
・数値目標で表すとどのぐらいですか?
以上のような質問を通し、相手の目標を明確化していく。


何はともあれ目標です。日々の仕事で忙しいと目の前のことをこなすだけになってしまい、なかなか将来の目標を描くことが出来なくなってしまいます。目の前のことに全力集中することは何よりも大事なことです(参考:)。しかし、それに加えて定期的に目標をアップデートしていかないと、今何のために頑張っているのかわからなくなってしまいます。

3、現状の明確化

・今、あなたはどこにいますか?
・目標が達成された状態を100点とすると、現在は何点ですか?
・目標達成に向けて、これまで取り組んだこと、現在取り組んでいることは何ですか?
以上のような質問を通し、現状を明確化する。

目標設定をし終わったら現状をキチンと認識することが大事です。現状認識をおろそかにすると、以降のステップに支障が出ます。

4、ギャップの原因分析

・目標と現状の間のギャップをどう捉えていますか?
・ギャップが生じている原因は何だと思いますか?
・目標を達成するために、あなたが変えなければいけない習慣は何ですか?

ギャップに対して「楽勝です」と答える人には、「その理由はどこにあるのか?」を問い、「全然ダメです」と答える人には、「なぜそう思うのか?」を問う。そして、「現在のパフォーマンスはこれだけだが、本当に楽勝なのか?」、あるいは「本当に不可能なのか?」と聞く。


目標設定&現状認識の真の目的はこのギャップ分析にあります。目標−現状=ギャップです。ギャップを埋めることさえできれば、簡単に目標を達成することができます。若手が苦しむのは、目標設定と現状のどちらかもしくは両方をする習慣がついていないからで、これさえできれば一瞬で伸びる人は非常に多いです。


5、行動計画の作成

・それで何をしますか?
・あなたが取り組まなければいけない課題は何ですか?
・今日から始められる行動は何ですか?

「何をやるの?」と大きな質問をしてから、「もう少し具体的に言うと?」「今日から始められることは?」と聞いて細分化していく。


結局大事なのは行動です。ギャップを把握できても、それを埋めるための行動をしなければ何も変わりません。行動するときのコツは、できるだけ細分化することです。あまりに遠大なものだと行動する気が起きませんが、細かくブレークダウンしていけばやる気も出ます。


この記事はあなたが上司だったとしたら、という仮定のものですが、あなたが一番下の立場でも十分に有用です。自分にこの質問をし続けていくことで、成長スピードが加速度的にアップしていくことでしょう。